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kawasemikoの気ままなお喋り

 七つの子の話♪


「カ~ラ~ス~なぜなくの~060.gif」で始まるこの唄は

こう続きます「かわいい七つの子がいるからよ~060.gif

山に残して来た子供たちに 母さんはもうすぐ帰るからね・・・って鳴いている・・

そんな風景を思い浮かべて聞いていました。

ある方が 子供さんから

「パパ、かーらす なぜ鳴くの からすは山に……の「七つの子」って、からすが七羽いるの? 

それとも七才のからすなの?」と質問された事から 

 父親としての面目を保つために、早速調べられたようです。

とりあえず動物園に電話を入れたら、「うちでは、からすは飼っていませんから……」との答え。

「どこなら教えてくれますかねえ」→「山階じゃないですか?」。

ということで、山階の鳥類研究所に電話を入れて尋ねられたようです。

すると、からすは一度に七つ卵を産まないことが判明、

それどころかからすは七歳まで生きない!

フムフム034.gif・・・って現実的にはそうだけど 雨情の唄は 心に響く優しさがありますよね。

母や父の帰りをねぐらで待つ子どもたちに、

「もうすぐ帰るよ、あと少しだよ」とでも伝えているように、声高に鳴きながら飛んでいくカラスの姿‥‥

「七つの子」を口ずさむと、そんな情景が目に浮かんでくるような気がしませんか。

きっと 詩人らしく なにか深い意味があるんだろうな・・・と雨情について調べてみました。

大正10年(1921)に発表された「七つの子」は、詩人・野口雨情の39才の時の作品です。

そこには雨情の、我が子に対する父親としての愛が込められている、とも言われています。

雨情は茨城県の名家に生まれ、父母の愛を一身に受けて育った人でした。

しかし地元の名士であった父の死後、残された莫大な借金を抱え、

若くして生活苦と戦わなければならなくなります。

最初の結婚で産まれたばかりの娘を栄養失調で失い、すさみきった生活の果てに離婚。

二番目の妻と再婚後、その妻に支えられながら詩作の道を諦めずに歩み続け、

37才で作詞家として世に出ます。

そんな雨情には、生後7日で逝った娘の他に、前妻との間に二人の子(離婚の際は雨情が引き取る)が、

再婚した妻との間に七人の子が誕生しています。

父母の愛を一身に受けて育った彼は、我が子に対しても深い愛情を注いだようです。

またそんな雨情は、

大人になっても純粋な子どもの気持ちを忘れない、ことを理想としていた人だったともいいます。


「七つの子」について、野口雨情はこんな文章を残しています。

静かな夕暮に一羽の烏が啼きながら山の方へ飛んで行くのを見て少年は友達に

「何故烏はなきながら飛んでゆくのだらう」と尋ねましたら

「そりや君、烏はあの向ふの山にたくさんの子供たちがゐるからだよ、あの啼き声を聞いて見給へ、

かはいかはいといつてゐるではないか、

その可愛い子供たちは

山の巣の中で親がらすのかへりをきつと待つてゐるに違ひないさ」といふ気分をうたつたのであります。

一般の人たちは、烏は横着物で醜い鳥だとばかり思ひなされてゐましたけれども

童謡の世界では、さうした醜い感情をも、愛情の焔に包んでしまはなければなりません。

この歌謡中に丸い眼をしたいい子だよとうたつたところに童謡の境地があることを考へて下さい。

童謡の境地はいかなる場合にも愛の世界であり、人情の世界でなくてはならないのであります。」

(『童謡と童心芸術』同文館 大正14年より)



七つの子
                         作詞:野口雨情
                         作曲:本居長世

からす なぜなくの
からすは 山に
かわいい 七つの
子があるからよ

かわい かわいと
からすは なくの
かわい かわいと
なくんだよ

山の 古巣へ
いってみて ごらん
まるい 目をした
いい子だよ


 七つの子の話♪_c0192691_17503548.jpg

by kawasemiko | 2014-02-26 19:56 | 独り言

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